シネフェックス cinefex

シネフェックス 日本版 リック・ベイカー特集
発行日:1984/7/1
発行人:山科誠
編集人:ドン・シェイ 稲田隆紀
発行所:㈱バンダイ
定価:1,300円
日本翻訳版第5号は巨匠リック・ベイカー特集。
表紙はリアル・ターザンこと「グレイストーク」の一場面。

1982年3月29日第54回アカデミー賞から、メ-クアップ部門が年次の賞として常設されることになった。その第1回受賞者こそ、「狼男アメリカン」のリック・ベイカーだった。

オクタゴン、悪魔の赤ちゃん、キング・コング(1976)、エクソシスト、フューリー、狼男アメリカン、グレイストーク、M・ジャクソンのスリラー…といった作品に加え、VIDEODROME(日本公開は1985年6月22日)もテキストにして4ページほど紹介されている。

怪作「VIDEODROME」 ”生きたテレビ”を作る苦心

ベイカーの次の仕事、「VIDEODROME」は、彼の仕事の中でも間違いなく最も奇妙な仕事だった。恐らく他の誰にとっても同じだろう。全般的に批評家に冷笑または見下され、映画ファンには無視されたこの映画は、正しく鑑賞するにはストーリーの後半部分が主人公のマックス・レン(ジェームズ・ウッズ)の精神崩壊の幻覚を、単に反映しているにすぎないことを理解しなければならなかった。

効果班のスタッフが、上半身のアプライエンスをつけたウッズが、ソファにかけるのを助けている。このアプライエンスは、首のところで着けて境目が目立たないようにメークされた。ソファの後ろは切りとられ、ウッズは撮影の間、中の空洞部にひざをついて下半身を隠した。

本が日本で翻訳出版された当時はまだ、VIDEODROME は日本未公開だった。
それにしても酷い言われよう。なにかのインタビューで、あなたの映画を気持ち悪いという客がたくさんいますが…というあまりにも直截な質問に対して監督自ら「公開当時、あまりにも誰も見に来てくれなかったので私のほうこそ気もち悪くなった…」とインタビューでギャグにしてたくらいだからしかたないつやあ、しかたないのかもしれん。

※上記コメントはヴィデオドロームのパンフに掲載されていた、手塚真とクローネンバーグとのインタビューにある。ラビッドが話のネタになった直後に、そのセリフがある。正確な引用は下記の通り。

手塚:ご自分で撮られたものを見ていて気持ち悪くなることhないですか。 DC:誰も見に来てくれないときなんか気もち悪くなります(笑)

まあ、当時はこっちもこっそり騒いでたからなあ…。
いや、今もそうか…。

日:記

 

米国でビデオドローム初公開時に客が誰もいなくて気持ち悪くなった話は、実は定番ネタだったようで、いろんなインタビューで使われている。

2024年09月12日:追記

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