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■Anthony Burgess
アンソニー・バージェス
□「1985」
SF作家。英国人。オーウェルの「1984」のパロディー「1985」は傑作。

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■Bret Easton Ellis
ブレット・イーストン・エリス
□「アメリカン・サイコ
資本主義社会のバブル経済を総括する90年代の傑作。
一時期、David Cronenberg 監督で映画化の話もあったが、やはり無茶でした。
と思ってたら、なんと I Shot Andy Warhol (1996) の監督 Mary Harron が、映画化!
主役のベイツマンは Christian Bale(VELVET GOLDMINE)。音楽がなんと Danny Elfman! 2000年4月に米国で公開らしいが、いったいどんな映画に???...(記:2000/01/01)
で日本でも公開され、なんとビデオでは「アメリカン・サイコ2」なる珍品まで製作されてしまいましたが、両作ともに未見です。つうかサッパリ見る気しません。たぶん見ないでしょう。(記:2002/10/12)

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■Clive Barker
クライヴ・バーカー
傑作短編集「血の本」シリーズで衝撃のデビュー。映画「Hellraiser:ヘルレイザー」を自ら監督、リバプール出身のハンサム・ホラー天才作家として世界中のホラー好きガキ連中の嫉妬と羨望と尊敬を一身に集めた(はず?)、90年代を代表する作家。が、やがて映画「nightbreed:ミディアン」に顕著に表現されたように、作風をスプラッター・ホラーから(ダーク・)ファンタジーへと徐々にシフトする。日本では、「血の本」が文庫で出版された初期から中期にかけて、続々と新作が翻訳されたが、あまり売れなかったせいかどうか、最近は未訳の作品が多い。
ホモ・カップルが驚愕の事件に捲き込まれる「丘に町が」といった短編の傑作から、タイトルの恥かしさを力技で超越するダーク・ファンタジーの傑作「不滅の愛」「イマジカ」等、長編の傑作も多い。
「繊細」で「現実的」な描写を積み重ねる王道ホラーの帝王スティーブン・キングと、「豪快な嘘」から実はけっこう「浪花節」な「物語」が展開するクライヴ・バーカー。実はバーカーの方がよっぽど「現実的」で「大人」じゃないかと思ってる俺は、単に米国より英国の方が好きなだけなんでしょうか?なんちて。ぷぷ。(記:1999/11/08)
Craig Holden
クレイグ・ホールデン
□「ジャズ・バード」(2002)
実話だそうだが、だからどうした?というのが正直な感想だ。まったく物足りない。お上品なのだ。読んでて「情念」や「粘着」が欠落している。けして悪くは無いが、すぐ忘れてしまうわな、これじゃ。もう読まなくていいやホールデン。(記:2002/11/20)

□「夜が終わる場所」(1999)
うううん、@@@@のアンチ・ヒーローとは…そうきたか!ってな感じだが、いくら感情移入しようにもそれはそれであんまりな設定だ…。たぶんホントにいるのかもしれんが、娼婦とよろしくやってる悪徳警官の方がなんぼかマシだよ、それじゃ。まだ薬中とか、超人志向とか、ド変態とかのほうがなんぼか共感の範疇だよな。個人的な好みとしては、こう、なんつうか、ある程度社会的な他者を必要としする狂気のほうが、リアリティあるし、狂気が貫徹するにしても崩壊するにしても、読んでてある種快感得られるんだわな。そこらへん計算のうえで@@の一人称なんだろうけど、それがまた結果として@@@@との感情的な距離感をかせぐ主因にもなっていて、こう嫌な感じがみごとに中途半端で困ったところだ。嫌なキャラと設定が、まさにちょうどいいぐあい(?)に嫌な距離感で語られているわけだが、それはそれでリアリティの一種なのかもしれん。でも要はカタルシスにはほど遠いんだよな。そこが狙いなのかもしれんが、どうも素直に絶賛できんぞ。面白かったけど。別の読んでみようっと。(記:2002/10/12)

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David Cronenberg
デビッド・クローネンバーグ関連本。
映画監督クローネンバーグの好きな作家はバロウズとナボコフ。
インタビュー集、研究書ほか。
[クローネンバーグ・オン・クローネンバーグ][銀星倶楽部/クローネンバーグ特集][メイキング・オブ・裸のランチ]

■David Lynch
デビッド・リンチ関連本。
本職の映画はSFからカルト、サスペンスから泣けるものまで、改めて考えるとけっこうどんなジャンルでもOKなんだけど、断じて職人監督ではない。
画家(時には家具職人!)であることも有名だが、やっぱりヘンな作品(抽象画=バンドエイドやら綿やら虫が塗りこめられてる!)だったりする。
岡本太郎もびっくりの天才映画監督。
[銀星倶楽部/リンチ特集]

Don Delillo

□アンダーワールド(1997) 新潮社 上下巻 2002.6.25発行 上岡伸雄・高吉一郎訳 
噂にたがわぬ読み応え。途中、レニー・ブルースのギャグが連発するところで、それまでの流れとちょいずれたかなあ…と思いながらちょっとダメかも…と思ってたら、なんとラストでものの見事なエルロイ風・情容赦なき展開が待ってました。素直に面白かったです。(2003/01/20)
アンダーワールド

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■船戸与一
□砂のクロニクル
□午後の行商人

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□Hayakawa Publishing Inc.
早川書房。海外SF、推理小説の老舗出版社。
ハヤカワ・ミステリ、ハヤカワ文庫、ミステリアス・プレス文庫 等、ファンタジーからノンフィクションまで…

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■James Ellroy
ジェイムズ・エルロイ。アメリカの狂犬。


■James Tiptree Jr.
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア。
1916年シカゴ生まれ。長期間、男性作家だと信じられていた、稀有なSF作家。本名アリス・ヘイスティングス・シェルダン。
豪快かつ繊細な作品の非凡ぶりを遥かに上回る、壮絶な生涯をおくった。
けっこう翻訳されている。カルト・ファン多い?

■Jim Thompson
ジム・トンプソン。
アメリカ・パルプ界のドストエフスキー。
大傑作「内なる殺人者」ほか、映画化された「ゲッタウェイ」「グリフターズ」等日本での翻訳は少ないが、ファンは多い?
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■K. W. Jeter
K.W.ジーター
「ドクター・アダー」「ダーク・シーカー」「垂直世界の戦士」「グラス・ハンマー」「Noir」等、ディックと親交があっただけあって、サイバー・パンク、スチーム・パンクといった一連のオルタナ(?)SF作品は、どれも独特の味。
また、ディック直系の「ブレードランナー」の続編群は、オリジナル(小説)と映画の両方を引き継ぐ、アクロバティックな傑作シリーズとして成功している。「ブレードランナー2 - レプリカントの墓標 The Edge of Human -」「ブレードランナー3 - レプリカントの夜 - 」「ブレードランナー4 - Beyond Orion - 」(2000/09)と、なんと3本も続ける職人芸は、ちょっと意外。(記:2000/06/18)
いやあ、「ブレードランナー3」も面白かった!(記:2000/08)
bladerunner 2
ブレードランナー2
レプリカントの墓標
ハヤカワ文庫\740
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■桐野夏生
KIRINO natsuo
□「天使に見捨てられた夜」
女私立探偵・村野ミロシリーズ第2弾。シリーズ1作目も「OUT」も未読だけど、 ラストから一気に盛り上ったんで、次読もうかな・・・(記:1999/11/25)
…といいながら、結局「OUT」も読まず。(記:2001/06/03)

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■Lawrence Block スカダー・シリーズ
ローレンス・ブロック。アル中探偵シリーズの傑作、マット・スカダーの生みの親。

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□The Mysterious Press Tokyo
ミステリアス・プレス文庫 王道推理ものから、コメディ、スリラー・スパイものまで、英米ミステリのトレンド・チェックのためには必読?
シリーズ創刊より読破継続中。

残念なことに、2001年1月で刊行中止。権料で折り合いつかなかったのか?それとも売れなかったのか…。
■Martin Gardner
マーティン・ガードナー
奇妙な論理1_奇妙な論理2

「奇妙な論理 I だまされやすさの研究」
ハヤカワ・ノンフィクション文庫 訳:市場康男 720円(税別) 2003年1月31日発行

「奇妙な論理 II なぜニセ科学に惹かれるのか」
ハヤカワ・ノンフィクション文庫 訳:市場康男 720円(税別) 2003年2月28日発行

IN THE NAME OF SCIENCE 1952

なんと原著は1952年に米国で発行された名著。日本では、社会思想社で1980年9月に翻訳出版され、1989年には現代教養文庫になり、2003年にはハヤカワから文庫で復活と、まさに息の長いロングセラー。大学の図書館で読んだ記憶があったが、文庫で発見したので即買。「ダイアネティックス=サイエントロジー」「医療の四大カルト」「空飛ぶ円盤」「アトランティス」ほかもろもろ、2003年今も脈々と生き続けるエセ科学の代表的な具体例が、概観できる。トルマリンだのイオンで健康だの、似たようなネタがゴロゴロしてます。(2003/03/03:記)


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■Noam Chomsky
ノーム・チョムスキー


□「メディア・コントロール」
訳:谷山尚義 集英社新書 660円 2003年4月22日 第一刷発行 即買い、2日で読了。


素晴らしく読みやすい。明快・痛快。巻末対談の辺見氏の及び腰なリアクションは、まるで本前半部分でチョムスキーが批判した「知識人」まんまのリアクションなのですが、ひょっとして計算ずくのオトボケなんでしょうか?自ら典型的な「知識人」を演じるよりは、チョムスキー並の凄烈な批判を日本政府や体制側知識人にブチかましてくれた方が、よっぽど面白いはずなんですけど…。 (2003/05/16:記)

金儲けがすべてでいいのか グローバリズムの正体 2002/10/04
□「金儲けがすべてでいいのか グローバリズムの正体」
訳:山崎淳 文藝春秋社 1,429円 2002年9月30日 初版。発見、即買い。2002/11/02
全7章。「新自由主義とグローバルな秩序」「同意無き同意 民衆の心を画一化して管理する」「自由市場への情熱」「新自由主義秩序のなかの市場民主主義」「ザパティスタ党の蜂起」「究極の武器」「自警団員の大群」
あいかわらず、日本が米国式「グローバリズム」の忠実なコバンザメであることに一言も触れない「あとがき」はともかく、米国(=日本)の支配者層のいう「グローバリズム」や「自由主義」「資本主義」などの欺瞞性が暴かれていく様は、読んでて痛快だ。論理展開自体は確かに気持ち良いのだが、そのすがすがしい論理が暴く世界は、恐怖そのものである。「資本主義」が人間を疎外する様子は、ますますもって苛烈な展開をむかえている。資本主義の恐怖に比べれば、オカルトやエセ科学が煽る恐怖の底の浅さは、まるで皮膚上層に巣くう水虫並である。病は深く重い。(2002/10/04:記)

9・11 アメリカに報復する資格はない! 2002/09/03
□「9・11 アメリカに報復する資格はない!」
訳:山崎淳 文春文庫 562円 なんと2002年9月、早くも文庫化。即買い。2002/09/03
名著。真理は残酷だ。
が、出版社のせいかどうかは別にしても翻訳者あとがきは、どこかピントはずれに読めて歯痒い。ほんとうにチョムスキーの批判を真正面から受け止め理解しようとするならば、この本のあとがきは甚だ的外れだ。チョムスキーが試みる分析方法は、世界へ向けられたものである(米国だけではない!)以上、日本版のあとがきで具体的に分析されてしかるべきなのは、日本の中で機能している米国的政治力学であるはずだ。戦後、米国追随外交を基本とし、未だに戦争が「侵略」であることをまともに認識できない「日本政府」と「有識者」たちへの言及を避けずに、この本のあとがきを書くなどとは、とうてい理解できない。チョムスキーの論理に賛同するならば、日本人のわれわれが向けるべき「批評眼」は、必然的に米国ではなく自国でなければおかしい。それなくしてチョムスキーを褒め称えることは、当の本で何度も危惧されている「思考停止」以外のなにものでもない。そう考えて読むと、翻訳者が主張するように「反米」本とまで単純化されなくとも、この本が「日本人有識者」のさらなる思考停止のための道具とされかねない恐怖は、妄想と片付けられない気がする。次に翻訳される「金儲けがすべてでいいのか」のあとがきには、要注意だ。(記:2002/09/05)

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■Philip Kindred Dick.....perfect collection (in japan)
フィリップ.K.ディック:SF作家。元祖サイバー・パンク。「ubik:ユービック」「a scanner darkly:暗闇のスキャナー」等、傑作多数。死後、「ブレードランナー」「トータル・リコール」等映画化され、影響を受けた作家・映画監督・バンド連中は数知れず。情けない男と強い女の描写にかけては、抜群の表現力を発揮する。

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■Rudy Rucker
ルディ・ラッカー(ルーディ・ラッカー):ヒッピーで数学者。PKDよりずっと知的で大人な作風と人柄が、容易に想像できる一連の作品は、伝統的なマッド・サイエンティストものが多い。サイバーパンク界のマッド・サイエンティスト。

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■Seamus Smyth
シェイマス・スミス:アイルランド、ベルファスト生まれ。
□「Mr.クイン」(1999)
□「わが名はレッド」(2000)

正直「Mr.クイン」は面白かったが、いまいちだった。が、「わが名はレッド」は凄い。久しぶりに読んでて熱くなった。

途中までは、主人公の「レッド・ドッグ」と「ピカソ」のあまりの人非人ぶりに、なんだかなあ…って感じだったのだが、気がつくと作者の根幹がやはり「ルシール」である風に読めてきて、…あっ…と思ったら轟音をたてながらガシガシとパズルがはまり出して、あれよあれよというまに物語はクライマックスへ…
でもって、ものの見事な結末にびっくり。これはもうD・ピースなんかよりもずっと凄い傑作です。必読。こわいよ、アイルランド…。(記:2002/09/19)

■重松清
SHIGEMASTU kiyoshi
□「ナイフ」短編集 新潮文庫。
5つの短編。どれも読ませる。面白いというと語弊があるが、「キャッチボール日和」なんか、実は何度も泣かされそうになった。が、全体を一読後、どうにも素直に誉め難いひっかかりを覚えた。とくに最後の短編は「ビター・スィートホーム」と題されているが、最もリアルで平凡な印象をうけるこの短編に描かれる家族は、どう読んでも少しも「ビター」ではない。どういうことだ?この程度の自画像を「ビター」と表現するそのメンタリティこそが、「いじめ」のベースなのだろうか?それとも、そんな平凡さこそが「いじめ」の温床なのだという著者の指摘?が「ビター」なのか?いったい何が「ビター」なんだ?一見リベラルに見えるこの家族のどこをビターと評したのだ?当の短編では、甘いチョコに混じった苦いチョコを、そ知らぬ顔で呑みこむ子供のゲームが、物語の最後に描かれているが、まさか、「いじめ」で生じる「ビター」をそんな子供のゲームと同列にほのめかしたわけでもあるまい。無惨なこどものいじめを、描写する連作?短編の最後を締めくくるにしては、あまりに無邪気で、能天気な一篇としか読めなかった。
どうにも神経を逆撫でされた気がしたのは、そこに批評的な視点が読み取れなかったからだ。なんだか、「いじめ」をポジティブに解釈しかねない無責任さを感じたといったら言い過ぎだろうか?

まあ、何にしても同著者の他作品を読みたいと思わなかったことだけは確かだ。

こういった問題は、はっきり断じるまではいかずとも、エルロイやトンプソンのように、フィクションならば死んで責任とらせるくらいの「倫理感」が欲しい。早い話、いいたいことははっきり言えってことだ。「ほのめかし」は、ほぼ無責任と同義だ。ましてや「たかが」フィクションごときで断じることもできないその無責任さは、「いじめ」と同根の犯罪性ではないか。断ずることの責任をとるのが大人だろう。とくに、最近は表面上「客観性」を装った「やさしげな」「独善」が目につくので、苛立たしいのだ。
(記:2002/07/18)

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■高村薫
TAKAMURA kaoru
  1. 照柿
  2. 地を這う虫
  3. レディ・ジョーカー
  4. 神の火
  5. 李王(我が手に拳銃を)
  6. リヴィエラを撃て
  7. マークスの
  8. 黄金を抱いて翔べ
最初は気づかなかったけど、ほとんどの話がホモ風味なことに気がつき、一時期とてもショックだった。が最近、やっと「そんなことは瑣末なコトである」と割り切れるようになった。
俺も大人だ。
「照柿」がベストなのは、そこらへん(どこらへん?)関係してるのだろうか?・・・自問自答
(1999/11/25)

■天童荒太
TENDO arata
□「永遠の仔」
うううんん、そんなに凄いか?というのが、読後直後の感想でした。
例えば高村薫の場合、多少キャラクターやストーリー展開にひっかかる所があったりしても、 読後はけっこう素直に「いや〜凄いや〜」と思うのだ。
が、天童荒太はダメでした。
なぜだろう?キャラクター設定だろうか?地の文のせいだろうか?セリフ回し?
どうも、甘ったれたお話にしか読めなかったのは、俺の想像力不足なんだろうか?
ジョナサン・ケラーマンを初めて読んだ時はショックだったけどなあ。
ジェイムズ・エルロイジム・トンプソン好きな俺には、ダメです。
(記:2000/03/27)

■Theodore Roszak
セオドア・ローザック:1933シカゴ生まれ。"The Memoirs of Elizabeth Frankenstein"(James Tiptree Jr.賞 受賞作品)
□ "FLICKER"(「フリッカー、あるいは映画の魔」文春文庫上下刊)。トリッキーな大傑作。
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■William S. Burroughs
ウィリアム・バロウズ:世界中で一番カッコ良かった元ヤク中のじいさん。
■William Katz
ウィリアム・カッツ:第三次世界大戦危機モノから、連続殺人鬼ものまで、幅広いジャンルで、どれも結構面白い、職人的娯楽作家。

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