井の頭線 02

井の頭線 02


6月某日より
チリのビクトル・ハラの伝記を読んでます。
で、某日の深夜、会社からの帰宅途中のこと。
時既に夜12時ごろ、酔っ払いだらけの
某井の頭線、帰宅電車。
車両の中ほどで、本のつづきを読もうと
余裕を持って立っていたはずが…
いつのまにか、
右隣に40代カップル、
左隣には20代カップルが
おりました。
右の40代カップルの親父は、
でっぷりと太った中途半端なヤクザもの風。
でかい声です。
人を半殺しにしたことが最近の自慢らしく
とうとうと、中年女に語ります。
一方、左の若いカップルは、場所柄もわきまえず
いちゃいちゃと発情したイヌ畜生のようなありさま…

右のヤクザが
左の発情イヌどもを半殺しにしてくれれば
何の問題もなかったものを、
わたしが見えない境界線でもあるかのように
それぞれ独自の世界に浸りきっております。

たまらないのは
境界線のわたしです。

己が芸術的情熱だけで
貧しいチリの逆境でひたすら奮闘する男の伝記に
ちっとも集中できず、
ただただ、イライラとやりどころのない怒りに
一行も前に進めず、つり革を硬く握り締め…

わたしは
まだまだ人間ができとらんのでしょうか…

うう

(2001/06/10:記)

★mondo
★What's Happen to Me (the World) ?