撮影会

撮影会

2001年5月日曜日都内某所。
保育園のイモ煮会が近所の公園であった。

イモ煮の準備に働くかーちゃんに感謝しつつ
子供と遊んでると
なにやら、カメラを手にしたじいさんやら、オッサンやらが
大挙して移動してきた。
その数およそ40名前後。
けっこうデカいレフ板を持った男がいる。
集団の前のほうには白い紙を両手に高くかかげた男も。
…紙には「女性の名前」がマジックで描かれている?
あ、
むさくるしい、カメラ集団に混じって一人、
けっこうタッパのあるおねえさんが!

こ、これは、撮影会?

こんなとこでするか?!
これから保育園のイモ煮会だぞ。
が、カメラ集団と、
イモ煮の準備に忙しい父母会のお母さん方とは
茂った木々のせいでお互い気づいてない模様。


はやる気持ち(?)に子供をかかえて
撮影会の集団に接近し、
モデルを一目見ようとする俺。

が、30代から60代?のおっさん&じじい集団が
仮にも公共の場所で撮るわけだから
おねえさんの服はごくフツーである。
ポーズも木の横に立つだけで
あまり面白くない。
(俺自身撮影するなら話は別だが…)

モデルが見たくてたまらなかった俺は
早くもガッカリ・モードへ気持ちが暗く…
と、…
凄そうなカメラを持ったじいさんの何人かが、
モデルではなく、
明るい陽射しに走り回る保育園の子供に
カメラを向け出したことに気づいた。



なぜか、瞬間腹が立った。

あんたら、金払ってんだからちゃんとモデル撮れよ!
おねえさんに失礼だろうが!
かってに人の子供撮ってんじゃねえよ!
俺だって、おねえさん撮りたいのに
こうやって我慢してるだろうが!
…ってなところが、腹立ちの理由だろう。

さらに、中の一人が
娘をだっこする俺に向かってカメラをむけやがった。

「うへえ!逃げろう!」

勝手に写真取られたあげく
「或日曜、なかよし親子」…
とか、くだらいキャプションつきで
パネルにされては、たまらん。
ぜったいイヤだ。

木の陰にひいた「某消費者金融」のビニール・シートにもどり、
子供と、お握りを食う。

…いまいましいことに
何人かに写真を撮られた。
…まったく。
なごやかなイモ煮会で、
たまたま接近遭遇した
カメラじじいドモに抗議するのも
大人気ないので、
被写体に相応しからぬカッコで飯を頬張る。

と、…

…なにやら、向こう側でも、
別の集団が、撮影会のようだ。

娘の手をひき、
モデルのおねえさんチェックへ走ったことは
いうまでもない。


結局、確認できたのは、
少なくともモデルが4人、
撮影集団はおおよそ150人弱。
平均年齢高めのオッサンとじいさん連中が
日曜の真昼間、
親子連れでにぎわう公園を移動しながら
おねえさんモデルを撮影していた…
という事実だった。

たぶん、どっかの健全な?写真クラブ・同好会だろう。

しかし、まあ、
集団でカメラ持ったオッサン集団が
たった一人の若い女に群がる図ってのは
なんだか、見られたもんじゃありませんな。

(2001/05/20:記)

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