pop 270
THE FRIGHTENERS
さまよえる魂たち
2001/06/02 リンク追記
1997/02/22
1997/04/26 改定
以下の文は、見てから読んでね!うふふ
■傑作。
オリバー・ストーンの愚作「ナチュラル・ボーン・キラーズ」へのアンサー・ソング。
「ブレイン・デッド」は息子と母、「乙女の祈り」は娘と母。というシチュエーションに、実はニュージーランド(息子)と英国(母)、ニュージーランドor豪州(娘&母)と英国(友達)、という深いメタファーが露骨にみられるのは、ファンなら当然承知のはず。今回は、「ミート・ザ・フィーブルス/怒りのヒポポタマス」でも少し描写された、娯楽産業の巨大帝国・アメリカ合衆国に対するちょっとした批評映画だ。
さすが、わざわざ、ニュージーランドでロケ及び撮影しただけあって、この傑作は、けしてロバート・くそったれガンプ・ゼメキスの作品ではない。
多少、上品なものの、まぎれもないP・ジャクソン毒が全編まわっている。とくに冴えまくっているのが、ただただ記録更新のために殺人を繰り返す××××の描写だ。
「ナチュラル・・・」の殺人カップルが、ナルシスティックな合衆国の自画像とすれば、「FRIGHTENERS」のそれは第三者・他国から見た、他者の目から見た米国像だ。
殺人鬼なんぞは、どう合理化しようが、ネガティブなビョーキ野郎なことに変わりはない。連続殺人鬼が、かっちょいいわきゃないのだ。殺される側からすれば、ただただ迷惑なうえに不快なだけの連中に過ぎない。
そんな自明のことも、高度な演出と自己主張で粉飾されると、惑わされてしまう。「ナチュラル・・・」はその典型的な愚作のひとつだ。
その点、THE FRIGHTENERS は明快かつ健康である。悪は悪。地獄へ落ちろ!てな具合だ。もちろん実際にはサブ・ストーリーや、サブ・キャラクターで一捻りしてあるし、ちょっぴり下品だけど・・・。
それにしても、次回作の「キング・コング」はひょっとすると、更なる大傑作になるかもしれない。もちろん少なくともローランド・エメリッヒの「ゴジラ」よりは確実に1万倍は面白いはずだ!
■ その後、ジャクソン先生は…