クライムズ・オブ・ザ・フューチャー
108min /
DVD
- 英:Dolby Digital 5.1chサラウンド
- 片面1層 MPEG-2 16:9 LB ビスタ
- 予告編 海外版・日本版(2種)
Blu-ray
- 英:リニアPCM 5.1chサラウンド
- 1層 MPEG-4 AVC / 1080p High Definition
- 予告編 海外版・日本版(2種)
- ビハインド・ザ・シーン
- キャスト・インタビュー映像(ヴィゴ・レア・クリステン)
STAR CHANNEL MOVIES / 提供:東北新社 クロックワークス 販売元:ハピネット・メディアマーケティング
¥5720(税抜¥5200) 2024/4/3:発売 ※画像右
CRIMES OF THE FUTURE
107mins(107:35) / 2022 / 1080 High Definition / Audio:English DTS-HD Master Audio 5.1 /Subtitles:English SDH / 1.85:1
BONUS FEATURES
- THE MAKING OF CRIMES OF THE FUTURE (4:46)
- THEATRICAL TRAILERS (2種)
(1)$22.99 Decal Releasing 2022/08/09:発売 ※画像左
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(2) 4K $34.99 Decal Releasing 2023/01/31:発売
(3) Crimes Of The Future: Limited Edition (2022)(4K Ultra HD-FR/Blu-ray-FR)(SteelBook) $37.49 Metropolitan 2022/09/26:発売
(4) Crimes Of The Future (2022)(4K Ultra HD-UK) $49.38 Second Sight Films 2023/08/29 :発売
(5) Crimes Of The Future: Limited Edition (2022)(4K Ultra HD-UK/Blu-ray-UK) $53.18 Second Sight Films 2023/08/29 :発売
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日本発売版(Blu-ray)は(1)のteaserを1本カットして、カンヌでのインタビュー(主要キャスト3名)と、日本版予告2種を追加収録。劇場公開時と同様ブレッケン少年のちんちんにボカシ。映倫なんとかならんのかいな。
公開情報:
2022/5/23 カンヌ映画祭でおひろめ
- 2022/6/3 カナダ、北米で限定公開
- 2022/6/29 ブラジル、インド、トルコ、アルゼンチンほかで配信
- 2022/9/1 ロシア ほか徐々に各国公開
2023/8/18 日本 劇場公開
2023/12/9 スターチャンネルBS10 独占プレミア放送
2024/4/3 日本版Blu-ray&DVD 発売
※2022年5月カンヌ初公開後、北米の配給事情で宣伝や劇場の確保等があまりうまく稼働しなかったようなうわさを海外のニュース短信等で目にし心配していたところ(まともに劇場公開してなかったはずなのに)、8月に突然Blu-ray&DVD発売告知でびっくり。速攻入手したものの、予想以上にぶっ飛んだ内容に日本公開をあきらめかけていた。
ところが翌2023年、日本では劇場・放送(配信)・パッケージの順で、キッチリ期間をおいて(いまとなっては一昔前の)王道なスケジュールで無事公開された。
予算の都合か、ギリシャでの撮影をきっかけにしたのか、ついにクローネンバーグも全編デジタル・カメラ(4K)の製作体制に更新した。冒頭、青空の海岸で遊ぶブレッケン少年のカット以降、ほぼ室内、夜間のダークなシーンが続き、最後はモノクロのショットでEND。そのまま肉塊のような謎のオブジェクトをなめるようなカラー映像でクレジット。
撮影当時のギリシャはちょうど山火事で大変な状況だったため、インタビュー映像では誰もが40度超えの空調設備なし?!という過酷な現場を語っている。
初見時はただただ混乱。時代も場所も不明ながら、人類は痛みを喪失(謎の病気で役にたたない臓器ができてしまうソールは痛みを感じてるぽいけどなんなんだ?)、おかげで感染症でみんなやべーことに?。臓器登録所は看板だしてるのにまだ正式じゃない?謎の刑事とソールの関係は?メンテの二人組は?耳マンおもしろいけどただの背景なの?カプリースは旧世代だけど新人類になりたいのか?そもそも二人の関係は?ミイラとりがミイラになっただけの話なの?などなど。
しかし、何度もみていると、だんだんわかってきたような気がしてくる。映画冒頭、明るい海辺で無邪気に遊ぶ新人類のブレッケンを軸に、社会的にさまざまな立場の登場人物が右往左往する旧人類のドタバタ・コメディなのだった。母親、父親、アーティスト、官僚、医者、警察…クローネンバーグ一連の作品でこだわりの「スパイ」は、今回いつも以上に立場がグレーで、ラストに至ってはもはやどちらの立場でもあるダブル・シンク状態。ただ人工的にも自然的にも彼の肉体は旧人類ではなくなってしまう。「肉体こそがリアリティ」なのに、その肉体が病気=自然、アート=人工、どちらの干渉ももはや判別不可能な混交物なのだ。リアリティの二重人格。ブランドルフライだ(THE FLY 参照)。ただ、劇中の世界では新人類にやさしい派閥は圧倒的に厳しい状況にある。カプリースですら、さいごのショーでの言動は旧人類の視点ベースだった。現実に新人類が生まれている(冒頭で殺され最後は隠蔽されてしまう)状況のなかで、旧人類の誰もが微妙に新人類の存在に気づきながらもブレぶれぶれまくる様子を描いていたのだ。いつの日か旧人類をなかったものにしてしまいかねない新人類誕生初期は、こんなものなのかもしれない。
「新臓器」はアーティストの作品=映画作品で、「臓器登録所」=各国の検閲機関(自主審査機関)、「内なる美コンペ」=ジャンル映画祭であって、監督の半生をおもしろおかしく描いたブラック・コメディかと受け取っていた時期もあったが、ひょっとしたら過去作よりもずっと社会派な問題作だったのかもしれない。
:2024/8/13