2015/8/27 Fourth Estate 358ページ
£8.99
表紙にはスティーブン・キングのおすすめ。裏表紙には、J.J.ABRAMSとBRUCE WAGNER も。
献辞は愛妻 Carolyn Cronenberg へ。
あらすじ~
ナオミとネイサンは、恋人であり競争相手でもある。空港のホテルとブラウザ上でしか出会わない。二人は、SNS時代のノマドワーカーだ。ナオミは、殺人事件の容疑者アリステッドを追っている。アリステッドは、マルクス主義で性的自由主義者・世界的な権威の哲学者セレスティーヌを殺害したとされ、逃亡中だった。一方、カメラマンのネイサンはブダペストで、ゾルタン・モルナールという無免許外科医の仕事を撮影していた。ネイサンは、モルナールの患者と寝た後、ロイフェ病という奇妙な性病にかかってしまう。二人がまきこまれた事件はさらに奇怪な状況へと発展し…
出版時に1本の短編がネットで公開された。出版前に撮影され、主演は女優一人。監督は声だけ出演の “The Nest”。 小説の一場面(?)を 10分だけ映像化。本を未読なので、こんな場面が小説に存在するのか確信できないが、片方の乳房に虫がうごめいているから切除してくれと、画面外の医者に訴える女のモノローグだけで構成された不穏な短編だ。役名のセレスティーヌ、モルナールは小説に登場しているが、セレスティーヌは62歳の哲学者(のはず)なので、小説中の過去の一場面かと思われる。
小説にはマツダ教授も出てくる。日本を含む世界スケールの近未来SFだ。とはいえ、冒頭にクイックタイム、途中にはDVD…とか2010年代前半の用語も頻出するので、2024年のいま読むにはディティールのちょっとした脳内変換が必要かも。358ページ、全12章。
世の中、何が起こるかわからないとはいえ邦訳の可能性は厳しそう。こういう時は、紙じゃなくてデジタルのほうが便利なのかも。どうしよう‥‥
2024/8/27:記