デヴィッド・クローネンバーグ/黒沢清
編集長 島田元 編集委員 塩田明彦 高橋洋季刊「映画王」第一号 発行:高田馬場TomTom倶楽部 一九八九年八月十八日 350円(本体340円)
デヴィッド・クローネンバーグ 胸に輝くホラーの星 黒沢清(18~30p)1985年夏「ザ・フライ」公開以前に書かれたクローネンバーグ小論。当初、発表予定だった雑誌は企画倒れになったせいで、没原稿だったものを掲載(高橋洋)。クローネンバーグ映画が基本的に「怪物映画」であること、50年代怪奇映画との関連を指摘。ただトビー・フーパーやジョン・カーペンター、クローネンバーグの名前を揶揄するくだりは当時も読み飛ばせなかったが、今読んでもダメだった。ただ、この徹底した表層へのこだわりはクローネンバーグ論というよりも、黒沢清監督自身の自己紹介・分析なのではないかと思った。そうすると名前への揶揄も腑におちる。
第3号巻末に、次号1990年5月18日(金)発売予定第4号の告知がある。「映画王」は4号が最終号だが持っていない。牽強付会でもったいぶった一部の文章に耐えられず3号でやめてしまったが、インタビュー記事はおもしろい。いまさらだが4号まで買っておけばよかった。