
監督Albert Shin(2019)100分
カナダ、ナイアガラの滝で有名なクリフトン・ヒル。川辺で魚釣りを楽しむ一家。父、母、幼い姉妹。道路際の森で、姉アビーは片眼に絆創膏の少年と出会う。少年はアビーに口を指でふさぐジェスチャーを残し、道へ飛び出すが、その場で謎の人物に拉致されてしまう。その様子を木陰から目撃する幼いアビー。
時は流れ、大人になったアビー(Tuppence Middleton)は、母の死をきっかけに地元へ戻り、少女の時に目撃した謎を追いはじめる。
クローネンバーグは「空飛ぶ円盤レストラン」(カナダ、オンタリオに実在するロケ地)の地下で、クリフトン・ヒルで起こった謎の事件を追う怪しいポッド・キャスターの男ウォルターを演じる。

クローネンバーグ演じるウォルターは、DVDのメニュー画面にも登場。物語の要所で現われ話をややこしくするトリック・スター的なキャラクター。アビーが目撃した少年にいったい何が起こったのか?というのがストーリーの本筋。いかにも怪しい魔術師夫妻、謎が謎を呼ぶ事件はラストで一見解決したかのようにみえたが、最後の最後に…!
ジャケットのイメージからして「ツイン・ピークス」を連想させるミニシリーズのパイロット版のような印象。劇中、主人公がみるTVでオーソン・ウェルズ監督作の「THE STRANGER」(1946)が使われるが、ちょっと思わせぶり。
DVDは、4月中旬にebayで英国の会社から中古を購入。5月初旬に到着。リージョン2なのでPC視聴。英語字幕もないので、IMDBや海外サイトであらすじ等を調べながら鑑賞。さすがに2周すると、話の流れと登場キャラがなんとなく把握できたものの、ネイティブの人も話がよくわからんという感想を散見するだけあって、結局ことの真相はいったいなんだったのかについては…(;^ω^)。
なんと元ネタは監督の実体験だったとのこと。なるほど、謎の実体験からふくらませたフィクションとして考えればあの謎めかしたオチもまあわからないではない。
クローネンバーグが演じたウォルター・ベルは、カナダでも人気だったArt Bell (1945-2018)のイメージらしい。
製作Rhombus Media(カナダ)は、ブランドン「ポゼッサー」、ヴィルヌーヴ「複製された男」の製作会社でもある。米国ではNetflixで配信されたようだが、日本では未公開のまま(2025年5月時点)。