M. BUTTERFLY
101min 1080p High-Definition Widescreen (1.85:1)
English DTS-HD Master audio Stereo SHOUT SELECT
1993 Geffen Film Company. Warner Bros. Home Entertainment.
SPECIAL FEATURES:
Audio Commentary By William Beared, Author Of The Artist As Monster: The Cinema Of David Cronenberg
Interview With Director David Cronenberg (15min)
米国盤。英語字幕、本編中、中国語のセリフに英語字幕なし。
※英国盤には米国盤ににはない箇所にも英語字幕ありとの情報も。
原作者兼脚本家兼プロデューサーはDavid Henry Hwang。収録の監督インタビューでは、監督がこの「奇妙な」物語に関心を持って映画化するに至った経緯が語られている。そもそも元ネタになった現実のスパイ事件が奇妙奇天烈だ。「マダム・バタフライ」は、米国人作家の短編(日本人と米国人の悲恋)をイタリア人がオペラ化した超有名作。映画冒頭でフランス人外交官が、中国人が演じるオペラ「蝶々夫人」をみることから物語は始まる。うまれてはじめてオペラをみて感激したフランス人外交官は、日本人を演じた中国人から「蝶々夫人」は西欧からみた幻想にすぎないことを冷たく言い放たれ、中国の京劇を観に来いと挑発される。そして中国庶民の娯楽である京劇に足を運び、さらに魅了されてしまうことになる。映画冒頭では主人公ルネ・ガリマール(Jeremy Irons)が公務上も私生活でもナイーヴ(!)であることが描写される。京劇スターのソン(John Lone)を、さいごまで「バタフライ」と呼び続ける描写でガリマールの心情は表現されている。ラスト近く、護送車に同乗するルネとソンのバトル・シーンは、「スキャナーズ」の超能力戦、「イースタン・プロミス」のサウナ全裸バトルと同じ緊張感である。実はスパイものだったという物語の構造は、直近の「裸のランチ」をも連想させる。中国というインターゾーンから追放されたルネの行く先は「ビデオドローム」の廃船だったのだろうか、それとも「戦慄の絆」のクリニックだったのだろうか。