裸のランチ 新装版
ウィリアム・バロウズ
訳:鮎川信夫
河出書房新社 定価1800円
1987年2月20日 初版
「アメリカ人は自分が手を出すのをやめて、
勝手にどうにでもなるように物事をほっとくのが非常にきらいだ。
彼らは自分で自分の胃の中に飛び込んで食物を消化し、
糞をシャベルでほじくり出したがる。」
303-304ページ
「こん畜生、ごみくずじゃないか。
このずるい野郎を台所の流し汁といっしょに煮てしまえ!」
210ページ
看護婦「先生、死んだようです」
ベンウェイ医師「ではこれで今日の仕事は終わりだ」
83ページ
※それなりに面白い、ヤク中の繰言。
が、人間バロウズに対する興味を前提にした上で
さらに尚、ある程度の、努力を必要とする。
コレ以上は無理だと一目でわかる
溢れかえった屋外トイレの糞の山のてっぺんに
笑いながら小便で落書きするくらいの
努力が必要だ。
心の広さと教養が必要なワケだ。
ある人間には軽く笑えるギャグが、
別な人間には常軌を逸した変態行為に見える
こともあるだろう。
ベンウェイ医師にとって
軽い診断が、別の誰かには
とんでもない断罪と化すのと同様に。