ナボコフとバロウズ好きな若手監督が
性病ホラーの巨匠・血まみれ男爵という称号をサラリと受け流しつつ
我が道を粛々と歩み続けて四半世紀。
その間ホラーからアートへ、
バロウズからバラードを消化しつつ
なぜかノワールな作風へ傾倒する監督の次回作と噂されるのは
Maps to the Stars というブラック・コメディ。
ハリウッドを舞台にした Maps to the Stars をクローネンバーグが実際に監督するかどうかは不明ながら、原作者である Bruce Wagner との交流は今こそ注目すべきなのかもしれない。
というのも、 Bruce Wagner は、米国の狂犬 James Ellroy とリンクしているのだ。
ヒストリー・オブ・バイオレンスとイースタン・プロミスを撮った2007年現在なら、クローネンバーグとエルロイという組合せは何の違和感もない。
ジャンル映画を視野に入れながらも、実はアナーキーに撮りたいものを撮り続けているクローネンバーグ監督は、さらに新たな次元へ変態するに違いない。