Rencontre avec David Cronenberg (Cinémathèque – Paris – 23 janvier 2025)
2025/1/23 パリ・シネマテーク、クローネンバーグ特集上映中、「ザ・フライ」上映後のインタビュー動画、1時間16分。インタビュアーの2人は、フレデリック・ボノー(シネマテーク・フランセーズ事務局長)とベルナール・ベノリエル(シネマテーク・フランセーズ文化・教育活動ディレクター)。
「私のスタイルは直感的だ。 カメラのファインダーを通して、何かしっくりこないものがあれば、私はそれを押し付けないし、当初選んだレンズも使わない。 脚本家としてキャリアをスタートさせたばかりの頃、「自分にはフレーミングのセンスがないのかもしれない」と自分に言い聞かせていた。 しかし実際には、レンズを覗くたびに、あるものは明白に見え、あるものは本当に、本当に異常に見えた。 それはとても身体的な感覚だった。 それ以来、この直感が私のレンズやカメラアングルの選択の指針となっている。 どんなに自分の芸術を合理化しようとしても、それはいつもとても直感的なものなんだ」 (デヴィッド・クローネンバーグ)
「デッドゾーン」撮影時、リンチは「デューン」を撮影中だった。両作ともディノ・デ・ラウレンティスのプロデユースだったので、当時ふたりのデイヴィッドはリンチのおなじみビッグボーイで会っていた。ディノは「デューン」に夢中で「デッドゾーン」は放置。おかげでリンチはスタジオから干渉されて大変だったが、クローネンバーグは自由に撮影できた。
「トロントはちょうど、LAとヨーロッパの中間に位置しているのでカナダ人の私はトロント映画を撮っている」という発言。ジュード・ロウに監督の口調をまねてトロントのアクセントでセリフを話してほしいと伝え、「The Shrouds」でもヴァンサン・カッセルにも同じことを要求したとのこと。なぜならトロント映画だから。
インタビューは「ザ・フライ」だけでなく、3D映画への興味、「クラッシュ」の反響、映画製作に関するあれやこれや、いつもの調子で淡々と応える。
観客からリンチの影響等の質問があったが、監督の回答は以下の通り。
… but I don’t really think that I was been influenced very much by anything other than this the movies themselves. of course I’ve seen hundreds and hundreds of thousands of movies. So at at a certain point you don’t know you know, maybe I’m stealing from everybody. They say that uh an average artist borrows but a great artist steals.
ほかにも、現在映画製作が厳しい状況にあることを吐露しながらも、ベルイマンの重い映画の中にもあるユーモアを指摘しつつ「たとえ映画の中にユーモアがなかったとしてもそれを見る人の中にはユーモアがある。何をしていてもユーモアは必要」という結論ですべてはまるく収まった。