The Ticket Out
Helen Knode
訳’大倉貴子
2004年9月20日初版第1刷発行
ヴィレッジブックス ㈱ソニー・マガジンズ 900円+税
途中までは退屈だった。
ハリウッドで成功を夢見る女が一人殺される。
女は自ら書き上げた脚本「GBは成功を夢見る」の映画化を夢見ていた。
怪しげなプロデユーサー、脚本家、映画界の大立者、マスコミ、警官・・・。
なんだよ、マルホランド・ドライブの脚本家志望バージョンかよ。
ところがさすがエルロイの嫁だけのことはある。
コトが、実際にあったジョーゼット・バウアドーフ事件(上品なブラック・ダリア事件!)と
からみはじめると、俄然話は転がりだした。
ラストに至ってはまるでエルロイが代筆したかのような
情念のスプラッタが炸裂。
エルロイほどのスケール感はまだ無いものの
充分おもしろかった。
まんま似た者夫婦なのだろうか?