ノベライズ 宮村優子
原作 磯光雄
徳間書店
2007/4/30 初版
¥819+税
★★★★
★★★ アニメ第2話を見て再考w
※本作は、磯光雄による原作をもとに、著者宮村優子が独自の解釈を加えて小説として書き下ろしたものですで、磯光雄監督・脚本のTVアニメーション「電脳コイル」とは、世界観・キャラクターその他設定の異なる別作品として成立したものです。~巻末より
prologue
第1章 それは、青ではじまる
第2章 世界はふたりのために
第3章 おねがい!マリリン・マリーン!!
第4章 すべての記憶、すべての冒険、すべての感情
第5章 メガシ屋へようこそ
第6章 悪い子 黒い夢
第7章 ふたりのユウコ
第8章 電脳少女戦争
第9章 放課後は輝かない
第10章 《メガネ》の子どもたち
to be continued......
ノベライズ版「電脳コイル1」読了。
アニメと印象がまるで違う。
アニメがウィリアム・ギブソンなら、ノベライズはブルース・スターリングな感じ。
ノベライズのほうがエッジが効いててハード。アジテーションもアレw ふんいきも設定もアニメ版とは微妙に違うのも、またおもしろい。キャラの性格もアニメ版より辛辣度高い。
ノベライズの細かい設定を読んだあとだと、アニメ版のみごとな演出にあらためて感心する。キャラの動きを優先させてセリフは最小限に絞り込み、あくまでもアクション重視で状況を説明。
「とてもおもしろい子供向けサイバーパンクテレビまんが」という単純な好印象から、設定もドラマも思ったよりももっと硬派なのではないかという期待がふくらむ。たとえば、小説版での某主人公のセリフ。
「冒険なんかじゃぼくたちは変わらない。だまされるな」
もちろん、ドラマは「冒険を描きつつ、ぼくたちを変えてしまう」のだろう。バーチャルな設定が、単にドラマの背景ではなくキャラクターを動かす動機と密接にからんでいる。
そういえば、未読だが「未来少年コナン」の原作(文庫絶版)はアニメと違ってもっと暗いものだったことを思い出した。「電脳コイル」は原作じゃなくてノベライズだが、限りなく同じ設定とキャラを使いながら、表現者が違うことでこうも「陰と陽」に対称的な光を帯びてしまうところがおもしろい。
【次号予告】 小説 電脳コイル2 2007年7月刊行予定!!
…って何巻で完結するんだ?
>>電脳コイル