« 電脳コイル 第2話「コイル電脳探偵局」 | メイン | 電脳コイル第3話「優子と勇子」、第4話「大黒市黒客クラブ」 »

FBIフーバー長官の呪い

[ book ]

b_fbi.jpg
LA MALEDICTION D'EDGER
Marc Dugan
2005
マルク・デュガン
訳:中平信也
文春文庫
2007/2/10 第1刷

★★★★
これはおもろい!

ジョン・エドガー・フーバーに捧げるクライド・トルソンの回顧録 1932-72
File 1 ~ File 39

プロローグで、本書が偽書である可能性が示唆されるものの、すばらしくおもしろい。

迫真の描写が連続する。まるでエルロイのように。

というよりも、エルロイの連作に登場するキャラのモデルか?!うわこれなんかモロじゃないか?!というような人物や描写がガンガン登場して大興奮w ケネディ家に関する描写は、エルロイのアンダーグラウンドUSA3部作を補完するような情報ばかり。

後半のカミュに関する箇所(File 34)は、実存主義に関するみごとなまとめだ。仏人読者へのサービスというだけでなく、これを書いたほんとうの著者は、カミュが好きなんじゃないかと思えるほどみごとなまとめだと思った。

ニクソンの描写も、ものすごくわかりやすくて笑える。

それにしてもこれ、ほんとうにフーバーの右腕のオッサンが書いたのだろうか???ちょっとネットをみてみれば、amazon に限らず「どっちでもいいじゃないですか」などと、無意味に上から目線の感想文を目にするが、いいわきゃないだろうがよ!!!と、ひとり大憤慨。訳者の人と同様、この本は限りなく真相に近い偽書だと思う。これを書いたのはクライド・トルソン本人とは信じがたい。とくにカミュに関するFileは怪しすぎる。ほんとうの著者はおそらく、フーバーとクライド2人の身近にいた関係者じゃなかろうか?

それはそうだろうとしても、おもしろい。つか、書かれたことはほぼ90%事実じゃなかろうか。

ケネディ暗殺の真相は、これとエルロイ本を読めばOK。

>>アメリカン・デストリップ
>>ジェイムズ・エルロイ

About

2007年05月31日 00:53に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「電脳コイル 第2話「コイル電脳探偵局」」です。

次の投稿は「電脳コイル第3話「優子と勇子」、第4話「大黒市黒客クラブ」」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。