Naked Lunch (1991)
あらすじ
害虫駆除員のウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)は仕事中。家具の背後に潜んだゴキブリに殺虫剤を浴びせかける。わらわらと逃げ惑うゴキブリ。とどめの一撃を噴射寸前、薬がきれてしまう。おかしい、妙だ、薬の量は充分なはずなのに。自宅へ戻るリーは、妻のジョーン(ジュディ・デイビス)が腕に殺虫剤を打つ現場に出くわす。商売道具の薬を盗んでいたのは殺虫剤のジャンキーと化した妻だったのだ。そんなリーの職場に、二人の警官が現われる。職場から連れ出され、警官に尋問されるリー。おざなりな質問が一段落したとき、警官の一人が大きな箱をとりだした。箱から這い出したのは、インターゾーン商会からやってきたエージェントを自称する巨大なバグだった。背中に開いた喋る尻の穴から、恐るべき指令がリーに与えられる!
1時間55分
「裸のランチ」だけでなく、「エクスターミネーター」「おかま」、あるいはバロウズの著作ではついに描写されることのなかった妻殺しのエピソードを中心に、ウィリアム・リー=バロウズの半生が描かれる。
「あきらかに、『裸のランチ』でデヴィッドの興味をひきつけたのは、主人公がその正体も目的もわからない勢力の諜報員ないしは探偵にされてしまったと思い込むところである。架空の物質への「リー」の昂進してゆく中毒は、かれが知らぬまにいやいやながらこの見えない勢力に組み込まれているというシナリオの、単なる一部に過ぎないのである」~William S. Burroughs
クローネンバーグとバロウズ 裸のランチ p22 より
クローネンバーグが挑んだ、センチメンタルな傑作コメディ。