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トレイシー・ローズ

[ book ]


トレイシー・ローズ
15歳の少女が、いかにして一夜のうちにポルノスターになったのか?
2005/4/10 第1版第1刷発行 ¥1600+税 
野澤敦子 訳 WAVE出版
 
 表紙と、著者近影の写真は、もうすっかり別人の風格。

 オハイオに生まれた田舎娘の壮絶な半世紀。
グラビアからポルノ、逮捕、映画、結婚、離婚、TV、音楽、結婚・・・。惚れっぽいよ、ノーラ・ルイス・クズマさん。


 酒とドラッグに溺れ、ポルノ・スターの自分に嫌悪し、さんざん男に騙されたにも関わらず、何度も恋愛を求め、キャリアを求め、失い、それでもあきらめずに歩き続ける自伝からは、ほんとうにごくフツーで素朴なキャラが浮かび上がる。なんど男に騙されても、新しい恋人ができてしまう健全さ、ミーハー根性のたくましさだ。

 ポルノ業界から足を洗い、なん本かの映画に出演し、仕事も多忙になりつつあったある日、幸せに続きそうだったボルチモア生まれのブルック(ジョン・ウォーターズ組のスタッフ=小道具係)との結婚生活は、じわじわと崩壊する。悲惨な別れとなった決定打のセリフはものすごくリアルだ。必死でキャリアを求めるトレイシーに、夫ブルックは「趣味みたいな仕事はやめろ」と言い放つ。客観的にみたら、ブルックは正論を口にしただけだ。でも、トレイシーいやノーラにしてみれば、それはけして趣味ではなく、たぶん仕事でもなかったわけだ。自分を取り戻すための切実な「行動」だったわけだ。

 ブルックが、トレイシーと分かれて地元ボルチモアで得た仕事というのが「ホミサイド/殺人捜査課」だった。まるで、そのまんまホミサイドの一エピソードみたいなネタだ。


画像は、自伝でも触れられる1995年発売のCDジャケ。「趣味」みたいな仕事といえば、まさにその通りなんだが、歌詞の愚直な迫力には、当事正直素直に感動させられた。自伝を読むと、こちらが想像する以上の苦労があったわけだ。

人生、真実がそのまんま正しい力になるわけでもないが、だからといって前向きに生き続けることはやめてはならんという、素朴な健全さには素直に感動。

コメント (2)

とおりすがり:

残業おつかれさまです。

どっこい:

なんのこっちゃ!

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2005年04月13日 23:53に投稿されたエントリーのページです。

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