「からげんき」ほりのぶゆき著
平成4/10/16第1刷 ㈱スコラ発行 77Pより引用
またやっちまった。
ほんとうにオレは本番に弱い。
今日は、小学校@年生になる娘のピアノ演奏会だ。
第1部、
我が娘は3・4箇所ひっかかったものの、
なかなかいいグルーヴで「貴婦人の乗馬」をクリア。
第2部の連弾は「茶色のこびん」だ。
実は前回の連弾も、オレが失敗していた。
今回しくじることは許されない。
手を震わせながら(娘談)も、
ラフマニノフが茶色の大瓶でベロンベロンになったとしても
ありえないくらいの華麗な指使い!
あ・は、早いぞ娘!き・緊張感が!
気がつけばオレの両手は鍵盤上10センチ上空で
凍りついていた。
なぜだ?!たいして練習してないとはいえ
こんな簡単なフレーズが!
演奏会が終わり、
オレのピアニストとしての生涯は終わった。
クビだ。
次回の連弾は、
嫁が担当するそうだ。