柴田哲孝 祥伝社
2005/7/20 初版第1刷、第3刷 2,000円+税
私の祖父は実行犯なのか?
戦後史最大の謎。半世紀を越えてついに核心に迫る親族の生々しい証言。
「約束しろ。おれが死ぬまで書くな!」
祖父の盟友にして某特務機関の総帥は言った。真相を知る祖父の弟、妹、そして彼も没した今、私は当事者から取材したすべてを語ろう。
一読驚愕!
下山総裁はなぜ殺されたのか?事件関係者の証言から推理した柴田氏の推理は、日本の戦後史=現在を抉り出す!今も綿々と続く歴史の闇を思い知るためにも、必読の名著。
下山事件 シモヤマ・ケース、謀殺 下山事件、日本の黒い霧 上
と・・・読んだ結果、犯人はGHQと日本政府が、反共プロパガンダのために総裁を殺したと、なんとなくわかった気分になっていたが、ことの真相はそんなに単純ではなかった。
エルロイのアメリカン・タブロイドを読んだ時に味わった興奮と同様、歴史の裏面がリアルに活写される過程に、いちいち驚かされる。いままでの仮説が、ことごとく微妙に予想外の角度から再構成・再検証されていく様子は、すさまじいまでにおもしろい。なにせこっちはノン・フィクションなのだ。
が、同時に著者の親族が間違いなく実行犯の一人であることからくる恐ろしさは類書に無い暗黒度だ。読み進めるうちに、まるで自分の手が下山油にまみれるかのような生々しい恐怖。
民営化 と呼ばれる利権争いは、今も続く。
すごい本だ。
コメント (1)
肝心なところは、混迷、不明瞭。何故殺されたのか不明瞭。国鉄民営化と殺人の関係も不明瞭。
大仰な表現が目立つ。
投稿者: はら しんいち | 2005年10月20日 21:18
日時: 2005年10月20日 21:18