« うつせみ | メイン | 頭頭 ダウンタウン・松本人志の流 »

ハッピーフィート

[ movie ]

happyfeet1.jpg
Happy Feet
監督:ジョージ・ミラー
渋谷:渋谷シネパレス

第三種接近遭遇 ★★★★
ダンス ★★★★★
うた ★★★★
ロビン・ウィリアムス ★★★★★
改革者魂 ★★★★★
情念 ★★★★★

これは、ペンギンがエイリアン(人間)といかにファースト・コンタクトを成功させたかを描いた、SFミュージカルなんじゃなかろうか?

この情念に満ちたキャラが活躍するアクション・ファンタジーを見て、環境保護うんぬんを語るのはお門違いもはなはだしい。

happyfeet2.jpg

長編監督作が7作品という意外に寡作なジョージ・ミラー監督作は、どれも主人公が狂気に近い情念=思い込みだけを燃料に、敢然と行動を開始する。

すべての作品で「情念」を貫く激しいアクションが展開する。

復讐に燃えるマッド(な)マックスのマックス、牧童犬志望のベイブのぶた、こどもの難病に挑むロレンツォのオイルの夫婦、ロマンチック・コメディのイーストウィックの魔女たちは悪魔よりも熟女3人の情念のほうが強烈だ。主人公は性別や人種を超えて、みずからの情念だけを頼りに敢然と世界へ挑戦するのだ。

そんなミラー監督の集大成とも思えるのが、一見こども向けの「ハッピーフィート」だ。たぶん「ベイブ」1作目を、他監督にまかせたことをひそかに悔やんでいたのではないか?そう邪推したくなるほど、ハッピーフィートは、かつての作品を超える全編ド迫力の映像ショーである。

生まれながらにして肉体的ハンディキャップ(歌えない&ネオテニーな外見)を背負った主人公は、絶対絶命、どうしたって勝ち目のない巨大なエイリアンの船を目指して海に飛び込む。

映画のクライマックスはまさにここにある。

物語はその後もドラマチックに展開し、ハッピーなラストまでまだまだ続くが、映画本編中もっともドラマティクなド迫力を持って描かれるマンブルの飛び込みシーンは、実質上ハッピーフィートのクライマックスである。このシーンのために109分の映画が製作されたに違いない名シーンだ。Lovelace が語ったように、後世に伝えたいシーンなのだ。

happyfeet3.jpg

あの壮絶な瞬間、いったい誰が映画のラストを想像できただろうか?過酷きわまりない自然、天敵の襲撃、それらを超えてさらに未知のエイリアンの巨大な船に向かってたった一人で海に飛び込むマンブルの姿は、ジョージ・ミラー監督作の主人公の集大成といってもいい神々しさに光り輝いていた。

映画ならではの、すばらしい傑作だ!

劇中で使用される『Kiss』の歌詞の変更をプリンスに許諾してもらう際、当初は拒否していたプリンスだったが、完成直前の映像を観て、歌詞の変更を快諾。その上、エンディングテーマ『Song of the Heart』を書き下ろし、提供した。 Wikipedia

すばらしい!!

About

2007年03月27日 22:06に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「うつせみ」です。

次の投稿は「頭頭 ダウンタウン・松本人志の流」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。