Eastern Promise (2007)
あらすじ
現代ロンドン、夜。身元不明のまま一人の少女が病院で死んだ。少女の最期を看取った助産婦アーニャ( Naomi Watts )は、少女の残した日記を自宅へ持ち帰る。日記はロシア語で書かれていた。アーニャは日記にはさまれていた1枚のカードに記された住所を探し出す。そこはロシア料理店だった。アーニャを、店長らしき初老の男( Armin Mueller-Stahl )が迎える。
100分
イースタン・プロミス。それは、つらい日常から脱出するために少女が裏社会と交わした取引だ。運転手の男( Viggo Mortensen )もまた裏社会でのしあがるために組織への忠誠を誓う。イースタン・プロミス、それはザ・フライでの転送装置、スキャナーズでのエフェメラル、イグジステンズのゲームポッドにあたるのではないか。その代償はいつも大きく、劇的だ。
映画は、助産婦と運転手による視点で物語は描かれるが、このドラマの主人公は少女である。ドラマは少女の死ではじまり、少女のナレーションで終わる。
つまり、運転手の死闘は、少女の死闘を替わりに描いているだけなのだ。「「奴隷」は「奴隷」を生むだけさ」ドラマ中盤で運転手が助産婦に投げつけたセリフは、自嘲のセリフだったのだ。
「奴隷」の鎖をいかにして断ち切るのか?戦いは今も渦中だ。
爆音2008 で再見。