■David Cronenberg デビッド・クローネンバーグ関連本。 映画監督クローネンバーグの好きな作家はバロウズとナボコフ。 インタビュー集、研究書ほか。 |
■David Lynch デビッド・リンチ関連本。 本職の映画はSFからカルト、サスペンスから泣けるものまで、改めて考えるとけっこうどんなジャンルでもOKなんだけど、断じて職人監督ではない。 画家(時には家具職人!)であることも有名だが、やっぱりヘンな作品(抽象画=バンドエイドやら綿やら虫が塗りこめられてる!)だったりする。 岡本太郎もびっくりの天才映画監督。 |
■Don Delillo □アンダーワールド(1997) 新潮社 上下巻 2002.6.25発行 上岡伸雄・高吉一郎訳 噂にたがわぬ読み応え。途中、レニー・ブルースのギャグが連発するところで、それまでの流れとちょいずれたかなあ…と思いながらちょっとダメかも…と思ってたら、なんとラストでものの見事なエルロイ風・情容赦なき展開が待ってました。素直に面白かったです。(2003/01/20) |
■K. W. Jeter K.W.ジーター 「ドクター・アダー」「ダーク・シーカー」「垂直世界の戦士」「グラス・ハンマー」「Noir」等、ディックと親交があっただけあって、サイバー・パンク、スチーム・パンクといった一連のオルタナ(?)SF作品は、どれも独特の味。 また、ディック直系の「ブレードランナー」の続編群は、オリジナル(小説)と映画の両方を引き継ぐ、アクロバティックな傑作シリーズとして成功している。「ブレードランナー2 - レプリカントの墓標 The Edge of Human -」「ブレードランナー3 - レプリカントの夜 - 」「ブレードランナー4 - Beyond Orion - 」(2000/09)と、なんと3本も続ける職人芸は、ちょっと意外。(記:2000/06/18) いやあ、「ブレードランナー3」も面白かった!(記:2000/08) |
ブレードランナー2 レプリカントの墓標 ハヤカワ文庫\740 ****************** |
_ | 「奇妙な論理 I だまされやすさの研究」 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 訳:市場康男 720円(税別) 2003年1月31日発行 「奇妙な論理 II なぜニセ科学に惹かれるのか」 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 訳:市場康男 720円(税別) 2003年2月28日発行 IN THE NAME OF SCIENCE 1952 |
なんと原著は1952年に米国で発行された名著。日本では、社会思想社で1980年9月に翻訳出版され、1989年には現代教養文庫になり、2003年にはハヤカワから文庫で復活と、まさに息の長いロングセラー。大学の図書館で読んだ記憶があったが、文庫で発見したので即買。「ダイアネティックス=サイエントロジー」「医療の四大カルト」「空飛ぶ円盤」「アトランティス」ほかもろもろ、2003年今も脈々と生き続けるエセ科学の代表的な具体例が、概観できる。トルマリンだのイオンで健康だの、似たようなネタがゴロゴロしてます。(2003/03/03:記) |
□「メディア・コントロール」 訳:谷山尚義 集英社新書 660円 2003年4月22日 第一刷発行 即買い、2日で読了。 | |
素晴らしく読みやすい。明快・痛快。巻末対談の辺見氏の及び腰なリアクションは、まるで本前半部分でチョムスキーが批判した「知識人」まんまのリアクションなのですが、ひょっとして計算ずくのオトボケなんでしょうか?自ら典型的な「知識人」を演じるよりは、チョムスキー並の凄烈な批判を日本政府や体制側知識人にブチかましてくれた方が、よっぽど面白いはずなんですけど…。 (2003/05/16:記) | |
2002/10/04 | □「金儲けがすべてでいいのか グローバリズムの正体」 訳:山崎淳 文藝春秋社 1,429円 2002年9月30日 初版。発見、即買い。2002/11/02 |
全7章。「新自由主義とグローバルな秩序」「同意無き同意 民衆の心を画一化して管理する」「自由市場への情熱」「新自由主義秩序のなかの市場民主主義」「ザパティスタ党の蜂起」「究極の武器」「自警団員の大群」 あいかわらず、日本が米国式「グローバリズム」の忠実なコバンザメであることに一言も触れない「あとがき」はともかく、米国(=日本)の支配者層のいう「グローバリズム」や「自由主義」「資本主義」などの欺瞞性が暴かれていく様は、読んでて痛快だ。論理展開自体は確かに気持ち良いのだが、そのすがすがしい論理が暴く世界は、恐怖そのものである。「資本主義」が人間を疎外する様子は、ますますもって苛烈な展開をむかえている。資本主義の恐怖に比べれば、オカルトやエセ科学が煽る恐怖の底の浅さは、まるで皮膚上層に巣くう水虫並である。病は深く重い。(2002/10/04:記) | |
2002/09/03 |
□「9・11 アメリカに報復する資格はない!」 訳:山崎淳 文春文庫 562円 なんと2002年9月、早くも文庫化。即買い。2002/09/03 |
名著。真理は残酷だ。 が、出版社のせいかどうかは別にしても翻訳者あとがきは、どこかピントはずれに読めて歯痒い。ほんとうにチョムスキーの批判を真正面から受け止め理解しようとするならば、この本のあとがきは甚だ的外れだ。チョムスキーが試みる分析方法は、世界へ向けられたものである(米国だけではない!)以上、日本版のあとがきで具体的に分析されてしかるべきなのは、日本の中で機能している米国的政治力学であるはずだ。戦後、米国追随外交を基本とし、未だに戦争が「侵略」であることをまともに認識できない「日本政府」と「有識者」たちへの言及を避けずに、この本のあとがきを書くなどとは、とうてい理解できない。チョムスキーの論理に賛同するならば、日本人のわれわれが向けるべき「批評眼」は、必然的に米国ではなく自国でなければおかしい。それなくしてチョムスキーを褒め称えることは、当の本で何度も危惧されている「思考停止」以外のなにものでもない。そう考えて読むと、翻訳者が主張するように「反米」本とまで単純化されなくとも、この本が「日本人有識者」のさらなる思考停止のための道具とされかねない恐怖は、妄想と片付けられない気がする。次に翻訳される「金儲けがすべてでいいのか」のあとがきには、要注意だ。(記:2002/09/05) |
■Theodore Roszak セオドア・ローザック:1933シカゴ生まれ。"The Memoirs of Elizabeth Frankenstein"(James Tiptree Jr.賞 受賞作品) □ "FLICKER"(「フリッカー、あるいは映画の魔」文春文庫上下刊)。トリッキーな大傑作。 |
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