シネマート六本木 前売¥1,500
2004 韓国 122分 ビスタ
ヤン・ドングン、加藤雅也、真樹日佐夫、ほか
大山倍達の伝記…
じゃなくて、モデルにしたフィクション。
映画冒頭にテロップ(長すぎて全文読めなかったw)でわざわざお断りを出すのも納得な、不思議な映画だった。
大山先生に思い入れもなく、GYAOで「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」見たばっかりだったので、おれはけっこう楽しめたが、いっしょに見た某氏は「ひどい映画だ」と憤激w。某氏によると、「リベラ・メ」と同じダメっぽさだと、嘆いてました。
たしかにペダルと名乗る主人公は、物語前半から後半までペダルのまんま。日本人には馴染み深い「大山」性を名乗る過程は一切描かれない。これはもう大減点だろう。
(未見だが、「力道山」ではそのへんがちゃんと描かれていて、ホロリとさせられるシーンもあるらしい:某氏談)
「異種格闘技対決」「まゆげ落として修行」「牛殺し」といったオレでも知ってるエピソードは、ちょろちょろ描いてはいるものの、主役がちっともマス大山には見えないのも辛い。戦中、終戦直後の日本の描写もどこかしら異国情緒がただよう。日本というよりも香港ぽい。
とはいえ、おもしろかった描写もある。ペダルと腐れ縁の相棒(この相棒の描写がまたとおりいっぺんな中途半端具合で、下手なマンガにしかみえない…)がはじめるパチンコ稼業。「ぱち~んころころ!ぱち~んころころ!さあさあ、賭けた賭けた!」と、木製の台で商売を始める描写がすばらしい(池袋に見えないけど)。パチンコ商売の本質がズバリ描写されているw。あと、サーカスで暮らしていたペダルの師匠(カッコイイ&片手が義手!)がヤクザに殺され、ペダルと仲間たちが皆で組に復讐に殴りこみに行くシーンは、70年代カンフー映画っぽくてよい。
スクリーン・サイズも、ビスタじゃなくてスコープにすれば、もっと70年代カンフーなテイストが出て吹っ切れた映画になったかもしれないのに、惜しい。
まともなドラマを期待すると脱力ものだが、お気楽カンフーとしても中途半端な作品だった。とはいえ、不快な映画ではなかった。2回も見る気はないけど。
いちばん衝撃的だったのは、ペダル(マス大山)が、殺してしまった男の子供といっしょに山に登るエピソードがあるのだが、その頂上から二人が下界を見下ろすシーン。いったいどこの山だよ!とつっこまずにはおれないすげ~光景!日本どころか、この世のものとは思われないCG炸裂なランドスケープ!どういう演出意図なのか、サッパリ理解できませんでした。
出来たばかりのシネマート六本木は、なんと4スクリーンもある。さすがに椅子やスクリーンは綺麗だが、音量控えめすぎ!なぜ、あんなに小さい音だったのだろう?音漏れするのか?
「映画秘宝」セレクション編 日本<空手映画祭> がちょっとおもしろそうだ。レイトショーなので、何回か行ってみたい。「激突!殺人拳」とかスクリーンで見たいw。