12 Angry Men (1957)
監督:Sidney Lumet
出演:Henry Fonda、Lee J. Cobb
96分
★★★★★
名作。
ミハルコフのリメイク版予告編のせいで何十年ぶりかで見直した。
それにしても冒頭、ヘンリー・フォンダの孤立無援っぷりは半端でないw
今回見直して驚いたが、ほとんど全編おっさんたちの怒鳴りあう声で物語が進行していた。クール・オブ・ザ・キングであらせられるヘンリー・フォンダのイメージが強烈なせいで、見た後はたいへん静かな印象が残る名作だが、映画自体はまさに「怒れる男」たちによる怒鳴りあうアクション活劇だった。
あらためて感動したのは、最後に残ったただひとりの男が繰り返す事件の概略は、映画冒頭でわれわれ観客が耳にしたとおりのままなのだ。個人的な思いはどうあれ、男は裁判からうけた最初の印象に誠実でありつづけたにすぎない。
にもかかわらず、映画が終わるころには、映画冒頭とはまるで違って聞こえてしまうこのすごさ!おまけに圧倒的なのは、厳しく見つめる男たちの表情だけでドラマの決着を描いているところだ。これはすごい。余計なセリフなど不要なのだ。ほんらい、映画には決めセリフなど不要なのだ!
圧倒的な物語構成の妙に感動。
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