THE ISLAND
渋谷TOEI2
前半は、重厚なサントラ効果もあって、懐かしいSFスリラーぽいが、脱走が始まるともうだめだ。寝てしまった・・・。緊張感の無いアクション・シーンが続くと眠くなってしまうのだ。おまけに、目の調子が悪くて、画面が二重に見えてたいそう疲れる。字幕なんかほとんど二重に見えて、くどいったらありゃしない。こればっかりは映画が悪いわけじゃないかもしれないが、生理現象なんでしょうがない。気がつくとなんか車輪がごろんごろん転がってタイヘンな状況だ。なんだ?なにしてんだ?
<以下完全ネタバレ>
臓器移植用として育てられたクローンたち。彼らを飼育する「農場」で集団脱走発生!
・・・
というSFを数年前に文庫で読んだ。で、あとがきには、映画化の権利をアンブリンが手に入れたとあったが、どうしてもタイトルが思い出せない。
本の方がスケールも大きく、ラストはちょっとビジュアル的にも驚く大仕掛けのファンタジーぽいオチだったので、クローン農場のグロい描写とセットになれば、いかにもスピルバーグぽいよなあと思ったもんだが、映画のラストはもっと単純にわかりやすく改変されてしまっていた。
殺し屋が逃亡者に同情するシチュエーションじたいはパターンとはいえ悪くないのだが、とにかくすべての描写にドラマの重みと説得力が欠けていた。
CGがえらい進歩してしまったおかげで、ハデなアクションに対する免疫がどんどん強くなってしまったもものの、アクションを生かす人間ドラマに同じような技術的進歩があるわけもない。その結果、過激化するアクション・シーンと、ドラマとのバランスが致命的に崩れ去るような気がしてならない。
情感の盛り上がったところで繰り出されるハデな絵面は最高だが、情感が盛り上がらないのに絵だけがハデに描写されると、単純にそのギャップにしらけてしまうわけだ。
むずかしい。
8/24:追記
古本屋で思いだした!「スペアーズ」だよ、「スペアーズ」!
マイケル・マーシャル スミス!ディック記念賞受賞作家のキャッチにつられて読んだのも忘れてた。