とはいえがっかり。
そういえば、「童夢」って、当時は「まるで実写映画みたいな写実性」に感動したものだがマンガのリアルと、実写映画のリアルとはまったくの別物なのだろう。今のCG技術なら、「童夢」を100%実写化できるだろうが、おそらく実写化したが最後、まんがで感じた「リアリズム」は影も形も消えてしまうに違いない。
「童夢」の超能力者がこども(女子)と老人だったように、「グエムル」はロワーなソン・ガンホ一家と怪物との闘いだ。
ストーリーの意味がサッパリわからない。わざわざ殺さずに人間を集めていたグエムルの目的も推測不能なら、怪物に挑む家族の描写もマンガのようでご都合主義まるだしなために誰にも感情移入できない。「殺人の追憶」ではえらく感心したリアルな描写とユーモア感覚の絶妙な混ぜ具合が、「グエムル」ではことごとくネガティブな効果になっているようだ。
ざんねん。