WOWOWで録画しといたのを半分ほど見る。
なんだ、1本目の映画より面白いじゃん。
1作目マトリックス映画公開当事、
幼児化退行1本道のスターウォーズに挑戦状を叩きつけた本格SFアクションとして、
たいそう持ち上げられたニュースを見たものだ。
しかも監督はスタイリッシュな変格ハード・ボイルド「バウンド」の監督で、
タイトルはウィリアム・ギブスン、どうもディックぽいドラマ設定…。
元SF好きな俺が、期待しないわけがない。
つうか、大興奮でしたよ。見るまでは。
ところがどっこい、劇場で目にしたは
ディックぽいところはドラマの設定だけの
とんでもないシロモノだった。
主人公はひ弱なコンピュータ・オタク。
無根拠に「救世主」となり、美女と力を欲しいままに大変身。
バーチャルをいい訳に、背広の大人を殺しまくる殺戮マシンと化すのだ。
…トチ狂ったバカ映画だった。ほんとうにガッカリした。
俺は自分の生真面目さを呪ったよ。
あんまり悔しかったので、未だに2本目も3本目も見ていない。
で、そういいながらも気まぐれに録画しといた「アニマトリックス」。
反乱するロボット描写は、まんま傑作大河SF「猿の惑星」の猿だし(=奴隷だもんな)、
戦争描写は、単にパールジャムのクリップのバージョン・アップだし、
アクション演出のテイストは「うる星やつら」だし(演出家か同じだから当然か…)、
キャラクターも相変わらずステレオタイプだし、
ひっかかる描写が続くのだが、
そんなアニメに、気持ちイイポイントがたったひとつあったのだ。
「アニマトリックス」には
1本目の映画に欠落していた(俺が期待していた)
昔ながらの「SFマインド」があった。
たぶん、短編集というフォーマットがその唯一の長所を
いやがうえにも惹き立てたこともあると思う。
1アイデア、1ストーリー。
古典的なまでに起承転結が明快で、テンポ良く描かれる懐かしい「SFドラマ」。
うううん、やたら評判悪い2本目と3本目だけど、
なんだか見たくなってきた。
騙されそうな気がするけど。