都内某所
¥2,000(会場のレンタル代ほかを人数割)
★★★★★
すばらしい!
理性は情念の奴隷である。David Hume
昨年末某日、ちょっとしたスケベ心を胸に新宿夜のロフトに出かけた私は、思わぬ傑作と出会ってしまった。その夜目的だったはずのエロネタはすべて忘れ去られ、私の脳裏には、ただ1本の「アート」作品だけが深く記憶された。
坂本頼光 監督&弁士による サザザさん 第4話「●●●はどこだ」 だ。
それはまさに呼吸困難を伴う壮絶かつ甘美な体験だった。
同じ日、同じ場所、一人のプロフェッショナルもまた同じ感動を受けていた。某田中圭一先生だ。
かくして2009年1月某夜、田中先生自ら主催による、衝撃の「坂本頼光チャンピオンまつり」が都内某所にて開かれることとなった。神よ、まつりに参加できたことを感謝します。私はこの夜のことを生涯わすれないであろう。私がそこに見たのは、まさに真のアートだった。ひとりの男の生き様を目撃したといってもいい。
たとえそれが社会的に●●であろうとも表現せずにはおれないという情念!エルロイやトンプソンにも匹敵する情念!坂本氏の作品にはそれが宿っていた!
その夜のタイムテーブル。
坂本頼光チャンピオンまつり
(1)血煙高田馬場 無声映画 5分
(2)桃太郎」オリジナルアニメ 10分
(3)おじいちゃんは見栄っ張り の元となった作品 花沢徳衛、森繁久弥、富永一朗、浦辺粂子、ヘブリスギョン岩月 (声はすべて坂本頼光、ヘブリスギョン含むw) オリジナルアニメ 4分
(4)告発 実写ドキュメンタリー www
(5)サザザさん 第1話「弱虫マツオさん」 7分
(YouTubeとは後半のオチが違うバージョン)
・休憩~10分~
※特別ゲスト 「ファミレス戦士プリン」特別ダイジェスト版 10分
(6)サザザさん 第3話「知りすぎたマツオ」 10分 ヒッチコック、水木しげる(貸本時代)をリスペクトしたゴシック・ホラー・アニメ。そのオチもまた、時代を超えた普遍的な悲劇である。
(7)ゴジラVS鞍馬天狗 17分
全編をつらぬく「仁●なき戦い」のテーマ。志村喬の「生●る」ほか、昆布職人として世を忍ぶアラカン(ありゃなんの映画だw!ちきしょう!わかんなかった!悔しい!!)ほか、ネタ満載、奇跡の傑作MAD。→詳細解説↓
(8)サザザさん 第4話「●●●はどこだ」 10分 今のところ最新作にして最高傑作。いきなりの直球から怒涛の展開の末、マツオさんの身も蓋もない一人ボケ突っ込みが壮絶な結末をむかえる。
こぼれ話■サザザさんの第2話は上映を禁じられている。なぜなら坂本氏自らの手によって封印されたからだ。ネタがやばすぎるとかそういう話ではない。サザザさんシリーズの主役である「マツオさん」にアニメ制作当時に流行っていた HGのフォー! をやらせてしまったのがその理由なのだ。後から見直した坂本氏は「ネタ的におれは日和ってしまった!」という慟哭を伴った厳しい自己批判を展開。かくして第2話は闇へ葬り去られてしまったのだ。なんという厳しい芸道であろうか!…それはそれで見たいのだが・・・
↓下記のエントリがすべてを物語っている。
http://blogs.yahoo.co.jp/qfdsj940/39516105.html
坂本さんはダークサイドだけ見てしまうと誤解されそうだが、本業である 活弁 の仕事もけしておろそかにはしていない。
2009/1/28 「英語字幕つき 日本無声映画・アニメ上映会」
http://www.digital-meme.com/jp/news_events/events/0128.pdf
杉浦茂や水木しげるネタはダテじゃない!
さらに坂本氏の師匠はなんと、芸域の広さにおいてはウド・キアやクラウス・キンスキーに負けずとも劣らない世界でも唯一無二の存在である俳優、 山本竜二 だ。「理性は情念の奴隷である」 名言が具現化したかのような偉人のひとりでもある。
深い。深いぞ!
かくざ父さん、ほか各所で出没中!