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完全版 下山事件 最後の証言

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柴田哲孝
祥伝社文庫
2007/7/30 初版第1刷
¥857+税

★★★★

単行本
加筆・修正したうえに
なんと低価格で刊行。

目次
序章
第一章 血族
一、祖父、柴田宏(ゆたか)
二、下山総裁謀殺事件
三、謎だらけの下山事件
四、情報屋・李中煥(イチュンファン)
五、『下山白書』の怪

第二章 証言
一、母・菱子の思い出
二、自他殺論争
三、亜細亜産業の実態
四、秘密サロンの人脈

第三章 総帥・矢板玄
一、矢板玄に会いに行く
二、矢板機関とM資金
三、キャノン機関
四、下山事件に迫る

第四章 検証
一、轢断現場
二、情報の真偽の狭間
三、亜細亜産業の遺物
四、斎藤茂男との対話
五、旧七三一部隊員の証言

第五章 下山総裁はなぜ殺されたのか
一、攪乱
二、鉄道と国家
三、冷戦下の占領政策
四、ドン・シャグノンの手紙 ※

終章 慟哭

解説 櫻井よしこ
参考文献

※第五章 四、ドン・シャグノンの手紙 は文庫版追記

「解説」文が謎。下山総裁を殺害した側の代理人が、平静を装いつつ乱暴にあらすじをまとめたかのような悪文。圧倒的なまでに大勢の、しかもことごとく重要な人物が登場する大作ノン・フィクションにもかかわらず、解説文の中で触れられた人物はなんと「柴田宏」、「松本清張」に「ハリー・カーン」だけ!吉田茂も三浦義一も田中清玄も佐藤栄作にも触れていない。想像を絶するまでに歪んだ視線だ。この本の白眉である「矢板玄」にすら触れずに「解説」を書ける神経はいったいなんなのだろう。その悪意の深さは、証言を捏造した森達也と五十歩百歩だ。いや、たぶんより邪悪だw それにしても一見して腹立たしい駄文が本の末尾を汚しているのはなぜだ?右派への目配せになってるのか?

とにかく、あまりにも不適切な解説者の選任の裏をどうこう邪推するだけでも小一時間ネタになるほどの、昭和史を考えるうえで重要なネタの宝庫・大力作・傑作だ。まさに圧巻。

柴田氏の推測する「下山総裁暗殺犯」は伏字ながらも、ほぼ特定されている。

おそろしい。

2007年現在も綿々と続く「戦後体制」は、すこしも変わっていない。

おそろしい。


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2007年08月18日 21:11に投稿されたエントリーのページです。

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