春名幹男
新潮文庫
2003/9/1 発行
上下巻
¥781+税(BOOK・OFF¥450) ×2
2000/4 共同通信社刊 加筆・増補
★★★★
日米外交裏面史。
戦時中、「鬼畜米英」を叫んだ日本人は戦後一変して、親米になった。戦後の日本は心身ともにアメリカナイズされた、と言っても過言ではない。 ~ 膨大なアメリカ政府の秘密ファイルと、日米関係の舞台裏で活躍した関係者の証言から、裏面史を探る作業にとりかかった。 序章より
上巻
序章 コリングウッド
第一章 日米開戦への道
1 マリ子の父の情報工作
2 黒人、商社マン、図書館
3 ルーズベルトのわな
4 英ソの策略
第二章 祖国との決別
1 米軍の秘密基地・二世
2 捕虜サカキダの素顔
3 山本五十六機撃墜の陰で
4 敗戦を決定的にしたZ文書
5 OSSの日系要員
第三章 CIA対日工作の源流
1 終戦工作
2 初代のCIA東京支局長 <究極の知日派 身分を偽装して里帰り 八人のサムライ 激しい占領批判も 東京のCIA上級代表 吉田茂も出席 スパイの目 首相から第一次情報を 冷戦の深刻化で退場 「火曜会」解散 ブルーム・コレクション>
3 CIAが本格上陸 <ブルームの退場 秘密工作部隊の到着>
第四章 反共への急カーブ
1 リクルートされていた情報将校たち <親指事件 戦犯免罪の構図 進駐軍の受け入れ準備 河辺機関 共産主義者を区別 自衛隊発足の陰で 元特務機関員をスカウト>
2 民主化、そして逆コース
第五章 日本の黒い霧
1 A級戦犯免罪の系譜
2 ノーベル平和賞を狙った男
3 ジャール平原に消えた参謀
4 麻薬と細菌 <アヘン工作の責任者 満州国通信社 里見機関 情報提供者に転身 満州人脈 アメリカの「二重基準」 ニセ葬儀を出した石井中将 共産党から情報 石井情報はトップ・シークレット 部下からも脅迫>
5 キャノン機関とCIA <密航者を釈放せよ ライフル銃と麻薬 中国、北朝鮮にスパイ 鹿地亘を監禁 OSSに雇われた鹿地 本郷・岩崎邸が拠点 「スパイになれ」 二重スパイ構想 失敗したスカウト工作 大蔵省内にCIA 四ヵ所に分散配置 仁川上陸に向けて 下山、三鷹、松川 李香蘭 ビザ発給拒否 FBIが監視>
第六章 日本改造
1 戦略転換
2 新生日本の情報機関
3 思想改造
4 標的・インテリ
5 労働組合工作
下巻
第七章 反共工作基地
1 チャイナ・ミッション
2 ハワード・ハントの冒険
3 インドネシア工作
4 厚木のオズワルド <ナゾの行動 問題兵 CIAのエージェント? KGBがリクルート工作 「気象観測機」 厚木が配備拠点 U2墜落事件>
5 ベトナム反戦運動
第八章 政界工作
1 日本情報機関の父・吉田茂
2 敬遠された鳩山と石橋
3 一蹴された重光の安保改定提案
4 アメリカが支援した保守合同
5 「ラッキーなら」石橋政権は短い
6 アメリカの期待の星・岸信介
7 CIAと岸信介
8 安保改定・核密約の真相 <安保改定を最優先 改定草案決まる 核アレルギー ホット・ポテト 事前協議方式で密談 核持ち込みで「秘密議事録」 新安保条約に調印 肯定も否定もしない 大平・ライシャワー会談 核艦船の寄航は「持ち込み」ではない 引き継がれなかった密約 ライシャワーが機密暴露>
9 安保騒動の舞台裏
10 沖縄選挙にCIA資金
11 日本の政治家ファイル
第九章 情報戦争20世紀から21世紀へ
1 CIA東京支局
2 狙われたCIAオフィス
3 日米情報協力
4 北朝鮮テロ真の動機
5 核カードの狙い
6 独自情報への苦悶
文庫版へのあとがき 2003年7月
解説 秦郁彦 2003年7月 現代史家
参考図書・文献・取材に協力してくださった人たち
略称一覧/関連年表/索引
>>アメリカから来たスパイたち
>>松川事件の真犯人
>>葬られた夏 追跡下山事件
>>日本の地下人脈 戦後をつくった陰の男たち
>>完全版 下山事件 最後の証言
>>何も知らなかった日本人 戦後謀略事件の真相
>>松川事件 謎の累積
>>三鷹事件 1949年夏に何が起きたのか
>>下山事件 最後の証言
>>日本の黒い霧 上
>>謀殺下山事件
>>下山事件 シモヤマ・ケース
>>下山事件資料館
>>東京紅團●「下山事件」を歩く
>>